ノロウイルス予防と効果的な掃除方法

冬場を中心に流行するノロウイルスは、感染力が非常に強く、少量のウイルスでも体内に入ると発症する可能性があります。
感染者の嘔吐物や便との接触、汚染された食品の摂取、空気中に舞ったウイルスの吸入が主な感染経路です。
予防には、手洗いや食品の加熱に加えて、適切な掃除と消毒が欠かせません。
ここでは、ノロウイルスの予防と掃除方法について詳しく解説します。

ノロウイルス感染を防ぐ基本対策

1.手洗いの徹底
ノロウイルスはアルコール消毒だけでは除去できないため、石けんと流水での丁寧な手洗いが必要です。
以下のタイミングで、最低30秒以上洗いましょう。
・食事の前
・トイレの後
・調理の前後
・嘔吐物や便の処理後

2.食品の取り扱いに注意
・牡蠣などの二枚貝は、中心温度85〜90℃で90秒以上加熱する
・包丁やまな板は用途別に使い分け、使用後は洗浄・消毒を行う
・調理後はすぐに食べ、室温放置を避ける

3.感染者の隔離と二次感染の防止
・感染者が使ったトイレや部屋はこまめに消毒する
・ドアノブやリモコン、スイッチなども除菌を
・タオルは共有せず、ペーパータオルを使用する

ノロウイルス発生時の掃除方法

1.嘔吐物・排泄物の処理

●準備するもの
・使い捨て手袋
・マスク
・使い捨てエプロン(あれば)
・ペーパータオルや新聞紙
・塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)
・ビニール袋(2重)
・使い捨て雑巾や布

●処理の手順
1. 換気を行う
 窓を開けて空気を流し、ウイルスの飛散を防ぎます。
2. 嘔吐物や便を慎重に拭き取る
 新聞紙やペーパータオルで覆い、周囲まで丁寧に拭き取ります。
3. 塩素系漂白剤で消毒
 次亜塩素酸ナトリウムを以下の濃度で希釈して使用します。
 ・嘔吐物や便の処理用:0.1%(水500ml + 漂白剤10ml)
 ・床・家具の消毒用:0.02%(水1L + 漂白剤10ml)
 汚染部位を拭き、10分ほど放置した後、再び拭き取りましょう。
4. 汚染物の処分
 使用済みの手袋やペーパーはビニール袋に入れ、2重にして密閉します。

2.日常的な消毒
・ドアノブ、スイッチ、テーブルなどを定期的に拭く
・0.02%の塩素系漂白剤を含ませた布で消毒
・キッチンやトイレは特に重点的に消毒し、最後に乾拭きを行う

3.衣類や寝具の洗濯
・便や嘔吐物が付着した衣類は、直接洗濯機に入れず、漂白剤0.02%溶液に30分浸す
・その後洗濯機で洗い、乾燥機で十分に乾かす
・寝具は可能であれば85℃以上の熱湯で処理する

予防と対策のまとめ

  • 石けんと流水による丁寧な手洗いを徹底する
  • まな板や包丁は食材別に管理し、食品は十分に加熱する
  • 嘔吐物や便の処理は慎重に行い、塩素系漂白剤で消毒する
  • 感染者が触れた場所はすぐに消毒し、家庭内感染を防ぐ
  • 衣類や寝具の洗濯、換気をこまめに行う

ノロウイルスは非常に感染力が強いウイルスですが、正しい掃除と対策を実践することで感染リスクを減らせます。
特に冬場は流行期のため、日常的な予防と衛生管理を徹底し、家族の健康を守りましょう。